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2008.12.21

エコロジー VS エコノミー

『燃費が向上した新車やハイブリッドカーを“環境にやさしいエコカー”などと宣伝しているけど、新車の生産には多くの資源やエネルギーを消費する。 だから新車を買うよりも、古い車を乗り続けたり中古車を買う方が“エコロジー”だ。』という意見がある。 著名な自動車評論家の中にも、そんな事を書いている人もいる。

その意見に賛同する際に、気をつけたい点が2つある。
1つは「新車の燃費や排気ガス浄化能力といった“エコロジー”度の向上分」と「生産における資源やエネルギーの消費分」との比較をどのようにして行うか、という事。
そしてもう1つは、我々の社会において自動車産業という“エコノミー”が小さくない存在である事だ。

これを書いている2008年12月中旬で重要なのは、後者の方だ。
9月の「リーマン・ショック」以降、アメリカでは「ビッグ3(GM,フォード,クライスラー)」の倒産や破綻の可能性が高まっている危機的状況だ。 日本では倒産の可能性は話題にならないものの、減産に伴って非正規雇用労働者(いわゆる派遣)の大量解雇が進んでいるところだ。

発端や理由はどうあれ新車が売れなくなったのだから、減産は当然の結果だ。
自動車には、金属・鉄鋼,ガラス,プラスチック,ゴム,繊維,電気・電子・機械部品など、さまざまな資源や部品が使用されているため、(自動車向けを他に転換しない限り)それらの工場の減産も当然の結果だ。
工場の操業時間を減らすことだけで減産に対応できればいいが、日本では非正規雇用労働者の大量解雇が行われていることは周知の通り。 心情的には許しがたい話だが、彼らの雇用を維持したままだとビッグ3のように倒産や破綻の方向へと変わり、最終的にはさらに大量の失業者が出る事態へと向かうだろう。

発端や理由はどうあれ新車が売れない。
新車を買わないがクルマに乗る人は、古い車に乗り続けるか、中古車を買う事になる。
すなわち『古い車を乗り続ける方がエコロジー』論者が望んでいた世界が始まっていたのだ。
シミュレーションではなく、現実として。

新車を買うよりも古い車を乗り続けたり中古車を買う方が“エコロジー”だとして、倒壊中の“エコノミー”の方はどうしよう? みんなが新車を買えば建て直せるのかな?!

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